空き店舗未来シンポジウムを開催しました!
- ogawateishaba
- 2025年2月28日
- 読了時間: 5分

1月18日に開催された「空き店舗未来シンポジウム」の様子をご紹介します。
移住先として注目を集める小川町では、新たにお店を開きたいと考える人が増えています。その多くが、既存の建物を活かした開業を選び、築70年以上の歴史ある建物を改修するケースも珍しくありません。しかし一方で、町内には空き家や空き店舗が増加しており、様々な理由から市場に出回らない物件も多いのが現状です。そのため、オープンに紹介できる物件は限られ、物件を探している人たちのニーズに十分応えられていない課題があります。
今回のシンポジウムでは、リノベーションを活用したまちづくりに関する講演や、小川町で実際に改修が行われた3つの物件を巡るまち歩きを実施。建物を活用して何かを始めたいと考える人にとって、新たなヒントや気づきが得られる場となることを目指しました。また、改修の手法を「専門家依頼型」「ファン参加型」「DIY型」の3つに分類することで、物件活用の多様なアプローチをより分かりやすく伝える工夫も取り入れました。

第1部:リノベまちづくりを知る
第1部では、川越市で活躍する建築家の荒木さんをお招きし、空き店舗や空き家の再生を通じたまちづくりについてご講演いただきました。

荒木さんは、自治会長を務めたことをきっかけに空き家問題に直面。その後、全国のリノベーションスクールに参加し、空き店舗の活用方法を学びました。そして、建築・不動産・飲食業の専門家とともに「株式会社80%」を設立し、長屋のリノベーションや地域コミュニティの活性化に取り組んでいます。
特に旧大工町エリアでのリノベーション事例では、物件所有者・行政担当者と連携し、長屋の一部ずつを飲食店やコワーキングスペースとして再生していきました。DIYを通して住民や行政と協力し、安全性を確保しつつ低コストでの改修を実現しました。現在も新たにシェアキッチンの整備を進めています。
建築家の目線で改修について語ります
また、荒木さんは「断熱改修と快適な住環境の重要性」についても触れました。日本の住宅は冬の寒さが深刻であり、古い建物の改修時には断熱性能の向上が欠かせません。サーモグラフィーによる室内温度の比較や、DIYでできる断熱改修の具体例を交えながら、実践的なアドバイスをいただきました。
「空き店舗の再生は、単なるリノベーションではなく、まち全体を活性化させる手段のひとつ」と語る荒木さん。地域の人を巻き込みながら、「80%の力で楽しく続ける」ことを大事にしています。
また、荒木さんの個人プロジェクト「三輪駄菓子屋すいすい」は、屋台付きの自転車で子どもたちに駄菓子を届ける取り組みです。自転車を漕いでいくその場所がひとたびに地域の子どもたちにとってのコミュニティスペースとなっていく様子から、「小さくても始めてみる」ことの大切さを伝えていただきました。
第2部:まち歩き&グループワーク
シンポジウムの第2部では、小川町での空き店舗再生の事例を知るため、3つの改修物件を巡るまち歩きを行いました。それぞれの改修手法を「専門家依頼型」「ファン参加型」「DIY型」の3つに分類し、比較しながら物件のストーリーを学び、実際に店主の話を聞いたり、改修中の現場を見たりすることで、建物再生のリアルなプロセスを体感する機会となりました。
事務局から3つの事例について紹介
おがわ食堂 [専門家依頼型]
コロナ禍を機に東京で飲食店を経営していたオーナーが地元に戻り、お祖母様の美容室をイタリアンレストランへと改装。建築家である地元の幼馴染に設計を依頼し、天井の高さを活かした開放的な空間を実現し、家族との時間を大切にしながら自分たちのペースで経営できるお店をつくりあげました。参加者さんたちも高い天井を見上げ、デザイン性の高い空間に感銘を受けていました。

有機野菜食堂 わらしべ [ファン参加型]
築100年以上の歴史ある建物を活用し、ワークショップを通じて地域の人々と共に改修した玉成舎の1階で営業しています。もともと町内で15年間お店を営んでおり、移転と同時に玉成舎のオーナーとなりました。建物の再生には、地元NPOや商工会、長年のわらしべのファンの協力がありました。店内には、多くの人が関わったからこそ生まれた温かみのある雰囲気が漂っています。「人のつながりが支えてくれるお店。情報発信を工夫すれば、町の中心部でなくても人が来てくれるし、田舎ならではの強みがある」と語るオーナー夫婦の言葉が印象的でした。

古材・循環&リノベーション ツルヤ [DIY型]
かつて紳士服店であったお店を古材アンティークの展示販売拠点として再生するプロジェクト。借主は今までの小川町の古民家改修に携わってきた経験を活かし、DIYリノベーションを進行中です。自分たちで工事ができる部分はDIYで進め、専門的な部分はプロに任せることで、コストを抑えながら理想の空間をつくっています。「古いものを活かすことで、新しい価値が生まれる」という考えのもと、小川町の町並み再生の拠点となることを目指しています。絶賛改修中の現場を見学させてもらい、改修の迫力を感じました。

まち歩き後には、参加者同士で感想を共有し、「自分の立場でできること、やってみたいこと」について話し合うグループワークも行いました。参加者同士でも新たな出会いや交流が生まれる、和気あいあいとした時間となりました。
グループワーク それぞれの感想や想いについて語り合いました
まとめ
今回のシンポジウムでは、荒木さんの講演や、実際にお店を開いた方々の生の声を通じて、空き店舗活用の多様なアプローチを学ぶ機会となりました。3つの異なるプロセスの物件も見ることで、建物の再生に対する考え方が広がり、今後のまちづくりへのヒントが得られた場となりました。
小川町では、空き店舗を活用した新たな取り組みが少しずつ広がっています。今後も物件活用の学びの場を設けたり、内覧会を開催するなど、空き物件に関する取り組みを進めることで、より多くの人がまちづくりに関わり、空き店舗に新たな可能性を見出せる町になっていくことを期待しています。























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